麻子「……華、さん」 華「はい?
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44:名無しNIPPER
2020/01/12(日) 22:43:58.42 ID:zPoxPRfb0
華「複雑な事情があったとはいえ、遠くの地からたった一人でやってきて学校の命運を背負わされたみほさんを……放っておけなかったんでしょう」

麻子「………………だったらなんなんだ」

華「そういうところが麻子さんの優しさなんです。一見すれば無愛想ですけど、家族から切り離された孤独な人を放っておけない……きっと麻子さん自身の経験がそうさせているんですよね」

麻子「……それは」

華「あぁごめんなさい、嫌なことを思い出させて。けれど……わたくし……」ギュ

麻子「! は、華さっ」

華「そういう麻子さんの姿を思い出して……いつか家元になった自分の隣にあなたがいてくれるのを想像したら」

麻子「(華さんが……花を優しく束ねるように私を抱きしめてる。あたたかくて、やわらかくて、優しいにおいがして……振りほどく気になんかならない)」

華「……とても、安心して……幸せだと思ったのです」

麻子「(……この感触をなぜか私は覚えてる。そうだ……前におばあの見舞いに行った帰り、華さんが私をおんぶしてくれてたんだ)」

華「……お嫌でしたら、おっしゃってくださいね。離れますから」

麻子「……嫌じゃない。華さんの匂いは好きだ」ギュ

華「麻子さんもいい香りですよ」

麻子「へ、変態みたいなこと言うな」

華「麻子さんが先におっしゃったのでは?」

麻子「ぬぅ……と、というかだな華さん」

華「?」

麻子「その……今の話をきいても……現実的に私たちが……そういう関係を続けるのは無理だとわかってるんだろう?」

華「……ええ、頭の中ではずっとわかっておりました」

麻子「だったら……」

華「いずれ離れ離れになって傷つくような関係なら、忘れた方が良い……と?」

麻子「……」コクン


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