43:名無しNIPPER
2020/01/12(日) 22:39:05.97 ID:zPoxPRfb0
華「麻子さんを殿方として想像したわけではないのですが……わたくしは将来、必ずお婿さんをとらなければなりませんから」
麻子「あぁ……家元の娘で、一人っ子だものな」
華「沙織さんじゃありませんけれど、この歳になると結婚相手との生活を意識してしまいます。自分で見つけるにしても、お見合いをするにしても、どのような相手とこの先の将来を生きていくのか……」
麻子「窮屈そうな話だな」
華「別にイヤではないんですよ? 昔から家業を継ぐことは受け入れてましたし、どんな男性をお迎えするにしても、五十鈴家は女のチカラが強い家系なので他の方が思うほど窮屈でもありません」
麻子「(華さんの胆力はそこが源流なのか……?)」
華「……ただ、それゆえにどこか孤独というか。家を守るために頑なにならざるをえなかったり、大切な人に厳しく当たって一人思い悩むこともあるでしょう。お母様のように……」
麻子「……」
華「そういう時に……きっと麻子さんならとても優しくしてくれるような気がして……」
麻子「買い被りだ。私には……立場のある人の苦悩は共有できないぞ」
華「そういうことではないんです」スッ…
麻子「!(頬に手が……)」
華「麻子さんは……全国大会の決勝で一騎打ちになった時、何を考えていましたか?」
麻子「な、なにって……」
華「廃校を阻止するためだったり、遅刻を取り消してもらうためだったり……色々理由はあったと思いますけど。あの時だけはわたくしたち四人、みほさんのために必死に協力してましたよね」
麻子「……あぁ。そうだな」
華「わたくしと沙織さんは大切な親友のため、優花里さんはあこがれの人を手助けするため……では普段からみほさんと個人的な交流はなかった麻子さんは、何のために?」
麻子「……何が言いたいんだ。私だって西住さんに借りがあったし……仲間のために協力しただけだろう」
華「放っておけなかったんじゃ、ないんですか?」
麻子「!!」
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