63: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2020/01/04(土) 20:38:12.35 ID:hoMUvMIQo
樹木の陰に隠れた白いアスファルトの坂を上っていく。
私以外には他に誰もいないようで、木々のさざめきと小鳥のさえずりだけが濡れた大気に揺れている。
経路を切り取るように組まれた石垣は、まるで何百年も前に建てられたもののようだ。
異世界にでもやってきたみたいだと思った。
少なくとも、ここは私が普段生きているような世界では到底ない。
足場が黒のアスファルトに変わる。
私はポケットに押し込んでいたメモ用紙を取り出した。
このまま真っ直ぐに進んで、左手に階段が見えたらそこで折れる。
進行方向が大きく変わるのはその一カ所だけだった。あとは道なりに歩いていけばどうにでもなりそうだ。
153Res/110.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20