芹沢あさひ「この雨がいつか止んだなら」
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58: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2020/01/04(土) 20:35:01.03 ID:hoMUvMIQo

「でも、そうっすね。一人で行かせてもらえるのなら、それがいいっす」

 私の言葉に彼は頷いて、いま地図を描くよ、と小さく笑った。

 空は未だ相変わらずの曇天だけれど、ここへ到着するのとほとんど同じ頃合いに雨は上がった。
 この時間帯に後方の二車線を通る車両はさほど多くもないようで、彼がペンを走らせる真っ直ぐで乾いた音だけが、そのせいで一段と際立って感じられた。

 彼にとってはやはり通い慣れた場所のようで、彼は一分も経たないうちにそれを描き終える。

 ほら、と手渡された一枚のメモ用紙を受け取った。
 上空からみた平面図が黒のインクで、その中を辿る矢印が赤のインクでそれぞれ記されていた。




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