59: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2020/01/04(土) 20:35:54.52 ID:hoMUvMIQo
「ここがいまいる駐車場。まずは真っ直ぐに坂を上って、あとは地図の通りに曲がればいい」
「なるほど。ありがとっす」
もらった地図を折りたたんでポケットに仕舞う。
すると、プロデューサーさんが思い出したように言った。
「名字は分かるのか?」
私は、知っている、と答えようとして、しかしすぐに気づく。
「そういえば、漢字でどう書くのかは知らないっす」
「だろうと思ったよ」
彼はため息を一つ零して、さっきのメモ用紙を出すように言った。
再び彼の手にわたった紙の上に、新たな文字がボールペンで書き込まれていく。
そして私のもとに戻ってきたとき、そこに書かれていたのは全く馴染みのない文字列だった。
全部で四文字ある。
名字と名前とがそれぞれ二字ずつ。
私はそれをもう一度ポケットに仕舞いながら言う。
「こんな漢字書くんすね」
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