芹沢あさひ「この雨がいつか止んだなら」
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52: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2020/01/04(土) 20:31:40.09 ID:hoMUvMIQo

 両腕に残った痺れを振り払うように、自分の頬をぺちと叩く。

 話しているうちに目が冴えてきた。
 できれば一度思いきり身体を伸ばしたかったけれど、狭い助手席の上じゃどうしようもない。
 アスファルトを黒く染める雨脚は、しかし降り始めた頃に比べると随分弱まったようにみえる。
 それにしたって、わざわざ濡れてまで目的を果たしたいとも思わない。

 視界の端で、プロデューサーさんが端末をスーツに仕舞うのがみえた。

「もういいんすか?」
「ああ。終わった」




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