芹沢あさひ「この雨がいつか止んだなら」
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137: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2020/01/04(土) 21:23:34.86 ID:hoMUvMIQo

 改札を潜り、ホームに並ぶ。人影は疎らだ。
 いつもより出発時間を早めて正解だった。
 人混み自体はそれほどでもないけれど、狭くて窮屈な場所、具体的に言えば朝七時半過ぎの駅のホームなんかはかなり苦手だ。
 まるで海の底を歩いているような気持ちになるから。

 列車は特に慌てた様子も見せず、悠々と定刻通りに滑り込んできた。
 七人掛けのシートは、それそのものが一種の法則であるかのように揃って隅のほうから順に埋まっている。
 一〇分ほどで着くのだから、と私は向かい側の扉に背中を預けることに決めた。
 外の景色を眺めたいのなら、ここが一番良いポジションなのだ。




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