芹沢あさひ「この雨がいつか止んだなら」
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135: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2020/01/04(土) 21:22:37.16 ID:hoMUvMIQo

 透明な暗闇が空を太陽ごと覆い隠して、夜明けがそのヴェールを静かに攫っていく。
 たったそれだけのことで、昨日の出来事が全部、遠い昔のことのように思えてくるから不思議だ。
 実際、あんなにも長いと感じた一日だって、それをたとえば日記帳なんかに書き起こしたとして、四桁にも満たない文字数で案外書き切ってしまえるのではないかという気がする。
 
 午前中はレッスンに費やし、昼頃からプロデューサーのお墓参りに行って、傘を持っていなかったせいでずぶ濡れになり、一度戻った事務所で洗濯と乾燥とを済ませてもらって、家に着いたのは二一時を回りそうな頃、疲れていたからシャワーだけさっと浴びてそのままベッドに飛び込んだ。

 いまのでいったいどのくらいの字数だろう。三桁はありそうだけど、二〇〇には足りない?
 まあ正確な数字はどうだっていい。ともかく、昨日起きたことなんて結局はその程度でまとめてしまえる話だった、ということだ。
 ただ表面をなぞるというだけなら、だけれど。




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