115: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2020/01/04(土) 21:10:37.39 ID:hoMUvMIQo
雨音みたいな耳鳴りが、いまもまだ胸の奥でたしかに響いている。
それは、空っぽで何もなかったいつかの私を深く満たしていたノイズの残滓だ。
それに代わる何かを、しかし私は未だに見つけられていない。
だから、怖かった。
一歩でも足を踏み入れてしまえば、この先はきっと後戻りなんてできないから。
この愛しい残響を失ってしまったらと想像するだけで、まるで月明かりさえない真夜中の海を前にしたときみたいに、こんなにも足は竦む。
それでも。
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