113: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2020/01/04(土) 21:09:30.18 ID:hoMUvMIQo
しばらくして風が止み、ぎゅっと結んでいた目を開くと、辺りの空気は微かな熱を孕んだ光に薄らと染め上げられていた。
あんなにも重たく塞いでいた曇天はついに解けて、その隙間からは白くぼやけた青色が幕のように降り注いでいた。
コントラストの効いた空だった。
私が再び視線を下ろすのを、もしかすると彼は待っていたのかもしれない。
私が空から目を離したのとほとんど同時に彼は言った。
「あの人のこと、いまでも好きか?」
153Res/110.09 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20