110: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2020/01/04(土) 21:07:24.99 ID:hoMUvMIQo
「答えなんて、本当は何でもよかったんす」
それは今日ここまで運んできた言葉の一つだった。
「あの人の答えが何であれ、できることなら、わたしはそれになりたいと思ってたんすよ。なんだか嘘みたいっすけど、多分本気で」
「それはいまも?」
彼の言葉に、しかし私は首を振った。
「いつかのわたしがなりたかったのは、あの人にとっての何かでしかなかった。本当のことを言えば、そのままでもいいっていまも思ってるんすけど、でも、プロデューサーはもういないっすから」
だから、わざわざこんなところまで来たんすよ、と私は言った。
彼は黙ったまま、何とも答えなかった。
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