芹沢あさひ「この雨がいつか止んだなら」
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10: ◆J2O9OeW68.[sage saga]
2020/01/04(土) 20:03:10.15 ID:hoMUvMIQo

 私は考える。どうだろう。
 上手く言葉にできなくてもやもやするなんてことは、たしかに、ほとんど日常と言ってしまって構わないほどには――当たり前すぎて、最早気にも留めなくなるほどには――ありふれているような気がするけれど、だけど、その絶対量を相対的に評価できるほどの客観的な道具を私は持ち合わせていない。
 
 だからというわけでもないけれど。
 
 私、芹沢あさひという人格が普通か普通でないのかなんて、考えたことがない。
 考えたいとか考えたくないとか、そういう問題じゃなくて、そんな発想がそもそもない――なかった。
 以前まで、少なくともアイドルとしての活動を始めるまでは。
 
 だから、と私たちの内緒話は続く。
 
「珍しいんだ、そうやって『よく分からない』ものを強いて言葉に直そうとするのは。全くってわけじゃ勿論ないけれど」
 
 緑色の光が正面から差し込んだ。
 ハンドルには再び両手が添えられる。
 しばらくして、微かな揺れを伴った景色は流れを取り戻し、緩やかな力が私の全身を後方へ深く沈み込ませていく。

 言われた通りなのかもしれないと思った。
 だけど同時に、その指摘は全くの的外れだとも思った。
 
 どっちだろう? わからない。




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