1:名無しNIPPER[saga]
2019/12/30(月) 20:32:10.33 ID:fdNmsaD40
「うう〜…なんで、なんでなのよ!」
「全くだ。なんでわたしが沙織の世話をしなきゃならん」
麻子は面倒くさそうな態度を隠そうともせずに、今この状況への不満を漏らした。
高校を出てから、こうやってクリスマスに女二人で集まって愚痴を(主にわたしだけが)零すことが不本意ながら定番の流れになっていた。なんとかクリスマスまでに男を捕まえたい!って意気込むほどに相手に引かれちゃって、結局は一緒にこたつに入った麻子の元で泣き言をまき散らしている。
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2:名無しNIPPER[saga]
2019/12/30(月) 20:33:03.79 ID:fdNmsaD40
麻子は落ち込むわたしなんて気にもせず、わたしの持ってきたケーキをもそもそと食べている。気遣う様子なんて微塵も見せず、いつも通り。今はそれがありがたかった。
「ねえ。麻子は…」
「なんだ」
よく分からない。感情が読めない。無神経な言葉を麻子は言われ慣れてるから、それは言いたくないし、わたしなら彼女の感情の機微を感じられる自信があった。他の人が感じられない麻子の本心を理解できた。
でも、わたしが恋愛の話をすると、すっと膜が張られたみたいに、分からなくなる。ただ面倒なだけ。興味が無い。そう見せようとしているような、そうでないような。
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