216: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:39:48.04 ID:ZRhpxi3E0
初めて聞くプロデューサーの過去に、紗代子は少なからず衝撃を受けた。
確かに外国に行っていたという話は、結果として嘘だったのかも知れないが、それでもプロデューサーに対する同情が胸に去来する。
苦労して、夢の実現まであと一歩という所での挫折……いや、絶望。その悲しさや苦しさは、いかばかりだっただろうか。
瞬間、あの夜のことが脳裏に蘇る。
765プロオーディションを落ちた、あの夜の自分の苦しみだ。
絶望の淵で、必死にプロデューサーも助けを求めたのだろうか? いや、それを乗り越えて今、彼は自分のプロデュースをしてくれているんだ。
善澤「これはまだ記事にはしないから教えてくれないかな、彼はどうやって君のプロデューサーになったんだい?」
紗代子「オーディションの様子を録画で見て逸材かも知れないって言ってくれたそうで……最初はレッスンの様子を録画して、後からそれを見て指導を……」
善澤「外国にいることにして、そうやってプロデュースをしていたのか……」
瑞希「そうだと、思います。ですが……今はもう、いつも劇場に来てくださいます。きっと、高山さんをプロデュースしているうちに、心の傷も癒えたのではないでしょうか」
善澤「そうかも知れないね。そして、Shahの件だ」
紗代子「あ! そういえば最初に、Shahの正体がわかったっておっしゃってましたね」
瑞希「そうでした……今の話を聞いて、Shahの正体を予測すると……はっ! もしやShahさんは、高山さんのプロデューサーが担当していた……」
紗代子「そうか……その、引き抜かれたアイドルなんですね?」
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