高山紗代子「敗者復活のうた」
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215: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:39:16.79 ID:ZRhpxi3E0

善澤「才能を見いだし、育て、その成功を夢見ていたアイドルが突然に引き抜かれ、彼は精神的に大変なショックを受けてね」

紗代子「そんなことが……」

善澤「それに加え、担当していたアイドルに逃げられただとか、そもそも大したアイドルじゃなかったのをエラそうに吹聴してたんじゃないかとか、そんな娘なんか最初からいない……全部ウソなんじゃないかとか、大金をせしめる為に外国に彼女を売り飛ばしたとか散々に業界内で陰口を叩かれてね」

瑞希「なんという……ひどい話です。ぷんぷん」

善澤「未来のトップアイドルを極秘に育てていると彼も言っていたとはいえね……特に酷かったのは、プロデューサーが無能だからその娘は海外に出ていったらしい……担当アイドルに見限られて捨てられたんだ、という声だったな」

紗代子「そんなことまで……」

善澤「そういったことが重なり、彼は人前に出られなくなってしまったんだ。人の目が気になり、手が震え、言葉も上手く出せなくなって」

 そう言われ、紗代子と瑞希にはピンときた。劇場に来るようになってからしばらく、プロデューサーがやや挙動不審ともとれる言動であった理由が。

紗代子「……それで、どうなったんですか?」

善澤「高木は彼に休養を勧めた。まあ、そうでなくても人前に出られない彼にはプロデュースそのものが無理だった。その後の消息を聞かなくなったから、もしかしたら765プロを辞めたんじゃないかとも思っていたんだが、今日その名前を久しぶりに聞いたというわけさ」


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