187: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 15:12:02.90 ID:ZRhpxi3E0
紗代子「765プロのオーディションを、落ちた時の私の気持ちです」
P「……」
紗代子「もう駄目なのかな……これで……ここで終わりなのかなって絶望だけがあって……希望や明日も見えなくて……誰かに助けて欲しくて……そんな気持ちを、歌にこめました」
P「夢を失い、人生の絶望を経験した者の強み……か」
彼にはわかった。紗代子のあの冒頭の絶唱は、出そうと思ったのではない。自然と出た、助けを呼ぶ声だったのだ。
まだ17歳の少女が、生きる目標である輝く夢を失いそうになり、それを恐れ、そして助けを呼んでいたのだ。聞いた者の心に響かないはずがない。
そしてそれだけに、紗代子のアイドルにかける夢の強さと、想いに彼は震える思いだった。
この純粋な夢に対して、自分はなんと汚い人間なのだろうかと、恥ずかしくなった。
そう、泣きたくなるぐらいに……
紗代子「え?」
P「なんでもない。さあ、アンコールだ。早く行け」
紗代子「はい! あ、プロデューサー」
P「……なんだ?」
紗代子「待ってて、くれますよね?」
P「……」
紗代子「またどこかに行ったりしないですよね?」
P「……俺は」
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