高山紗代子「敗者復活のうた」
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160: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2019/12/29(日) 14:39:59.74 ID:ZRhpxi3E0

 かつての山男とはいえ、そのブランクは深刻だった。まして彼は、ここ暫くはろくに部屋から出てすらいなかったのだ。
 女体山頂を目指すコースは、かなりの急勾配だ。それを彼は、必死に進んでいく。

P「紗代子……今、行くぞ……紗代子……」

 呻くように必死に登り、山頂に着く頃には疲労困憊は限界に達していた。
 そこで周囲を見渡すが、紗代子の姿はない。

P「いないか……よし、このまま男体山へ……」

 しかし体力は限界だった。道の途中、荒い息で、四肢を着き、顔を伏せるP。
 もはやその口から出る声は、譫言のように微かだった。

P「紗代子……」

紗代子「はい?」

麗花「どうしたの? 紗代子ちゃん」

紗代子「そこの人が今、私の名前を呼んだような……」

麗花「ん〜? 私には聞こえなかったけど……」

 刹那、プロデューサーと紗代子の目が合った。
 紗代子には、わかった。
 この人こそが……


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