113: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 15:08:16.92 ID:G9OiTGlK0
P「なんてことだ……」
俺は、虚空を見つめて呆然とする。
今回はSに悪気も、妨害の意図も、何もない。
114: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 15:10:16.81 ID:G9OiTGlK0
P「明日のテレビ収録は、中止となった」
蓮実「え……」
P「今日、なにがあったか知っているか?」
115: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 15:10:48.67 ID:G9OiTGlK0
そもそもが、若くて体力があればもっとバリバリと営業してやれているんじゃないだろうか?
SNSもそうだが、今の時勢にあった売り込みとか戦略も立てられたんじゃないだろうか?
かつての付き合いやコネクションはあるものの、俺はひけらかしのタンタリズムのような気がしてそれらをあまり活用しなかったが、それも間違いじゃなかったのか?
時の流れは早い。
116: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 15:11:17.93 ID:G9OiTGlK0
蓮実「ハスラーさんが、私は大好きです。憧れながらも、今はもう存在しないとあきらめていた80年代アイドルへの道を、ハスラーさんは示してくれました。その為に私を鍛えてくれました。そして、一緒に歩いてくれています」
P「……」
蓮実「だから私は、迷わずここまで来られました。今、私は夢に向かって進めていると、実感してるんです」
117: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 15:11:49.55 ID:G9OiTGlK0
奈緒「あれだろ? ハスラーって博打打ちって意味なんだろ?」
蓮実「ええ。それに、そういう名前のビリヤードの映画を見たことがあります。ああいう戦う男の世界の雰囲気からかなあ、って思ってたんですけど」
智香「戦う男……一か八かの大勝負を仕掛ける、そういう仕事ぶりから呼ばれてる……とか」
118: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 15:12:21.77 ID:G9OiTGlK0
P「B-58ハスラーは、アメリカ空軍初の超音速爆撃機だった。要はものすごい速さで現地まで飛んでいき、爆撃をして去っていく……そういう想定の航空機だった。だが……」
蓮実「?」
P「ハスラーは制式採用されたものの、実際に配備された時には戦略的にもコンセプトとしても、そして機体も既に時代遅れになっていた」
119: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 15:12:50.54 ID:G9OiTGlK0
P「言われても仕方ない……そうも思っていたさ。図星を指されていたから、俺もそう呼ばれたくなかったかも知れない」
蓮実「そんなこと……」
P「事実、現場を離れてからは俺は大した業績を残しちゃいない。俺が担当を外れ、その後は個人事務所を立ち上げて自立したSが今も人気なのとは逆にな」
120: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 15:13:28.27 ID:G9OiTGlK0
珍しい、感情を露わにした蓮実の言葉に、俺は視線を落とす。
Sに才能があったのは間違いない。そしてそれをSは、必死で磨いた。結果、世で評価された。
俺でなくても良かったのではないだろうか――?
121: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 15:13:54.39 ID:G9OiTGlK0
そうだったな――
俺が担当をしてくれるなら、アイドルになる……そうこの娘は言ってくれたのだった。
一緒に夢を育てよう、そう言ったから彼女はアイドルになってくれた。
夢を……一緒に育てる!
122: ◆hhWakiPNok[saga]
2019/12/28(土) 15:14:23.52 ID:G9OiTGlK0
全てがわかった気がした。
俺はこの瞬間、理解した。
俺が、この娘を時に大胆に、そして時に笑顔に、更には余裕を与えていたのだ。
蓮実「それにハスラーさん? 心配しなくてもレトロは、アイドルと戦闘機の組み合わせを経験済みなんですよ?」
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