めぐみん「敵いませんね、アクアには」ダクネス「ああ、まったくだ」
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1:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/25(水) 01:03:12.40 ID:ez5T+FUIO
「カズマカズマ」
「ん? なんだよ、めぐみん」
「今晩お部屋にお邪魔しても構いませんか?」

季節は冬。
冬将軍が到来して、めっきり寒くなった頃。
倒せば春に近づくとされる雪精を狩るなどという、冬将軍を呼び寄せるリスクに見合わない馬鹿げたクエストなどには出掛けることなく、俺達は屋敷の中でぬくぬく過ごしていた。

本日は俺が食事当番だったので、腕によりをかけて手を抜いて、鍋を作り、先程平らげた。
食い残した分を小さな鍋に移し替えて、明日の朝食の汁物としてキープしてから、俺が空になった大鍋と茶碗を洗っていると、食後にひとっ風呂浴びてホカホカになっためぐみんが、しっとり濡れた黒髪から仄かに良い香りを振りまいて、洗い物をする為に腕まくりしていた袖口をちょいちょい引っ張り、ぽしょぽしょと耳元でこそばゆく囁いてきた。

その内容は、否が応でも期待せざるを得ない。

やれやれ、今晩あたり魔王を倒して世界を救おうかと思っていたのだが、予定変更しなくては。

「ひとまず世界を救うことは諦めた」
「優先順位おかしくないですか!?」

おかしくない。なに、世界は逃げやしないさ。

「それじゃ、お布団温めておいてくださいね」
「おう! 任せとけ!」

スケールの大きすぎる天秤に呆れつつも、なんだかんだで嬉しいらしいめぐみんは照れたようにはにかんで、自室に向かった。準備があるのだろう。
ならばこちらも準備を整えることとしよう。

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