渋谷凛「いつもどおりの普通だって」
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7: ◆TOYOUsnVr.[saga]
2019/12/24(火) 03:29:14.76 ID:FLJvNdsK0

そのあとで、プロデューサーも私の隣に椅子を持ってきて、座る。

「正面じゃないんだ」

「横の方が楽しくない?」

「それは、うん。そうかも」

「でしょ? よし、食べよ食べよ。飲み物はお茶とアレ買ってあるよ。アレ」

「アレ?」

「シャンメリー!」

「私でも飲めるやつだね」

「そうそう。これ小っちゃい頃好きだったんだよなぁ」

「私も誕生日とかでこれあると嬉しかったよ」

「これから、会食とかはシャンメリー出してもらう?」

「それはやめて」

「いつもウーロン茶ってつまんないじゃん」

「なんか渋谷凛シャンメリー飲んでるぞー、って絶対ウワサになるよ」

「可愛くていいじゃん」

「そういう可愛さはあんまり欲しくないかなぁ」

「そうかなぁ」

「そうだって。っていうか、この料理はプロデューサーが作ったの?」

「んーん。九割九分九厘既製品」

「一厘だけプロデューサー製のがあるんだ」

「ないよ」

「…………そっか」

「突っ込むのに疲れた顔されると堪えるな」

「じゃあ疲れるボケしないでよ」

会話を打ち切って、机上のフライドチキンへと手を伸ばす。

がぶりと噛みつけば、味の濃い皮とじゅわっと肉汁の溢れるぷりぷりの身のコンビネーションが、空腹に沁みる。


「おいしい」

「そりゃよかった。よし。俺も食べよっと」

「あ、待って」

「ん?」

「私の鞄、開けてよ」

「鞄? これ?」

「うん。それに緑の包みの箱が入ってると思うんだけど」

「お、あった。なにこれ」

「メリークリスマス。プレゼントだよ」

「え、俺に?」

「ほかに誰宛てのがあるって言うの」

「えー。嬉しい。開けていい?」

「うん。気に入るといいんだけど」



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