93:名無しNIPPER[saga]
2020/01/01(水) 18:02:27.02 ID:12PeC/pS0
「初枝さんは柴田家の関係を擬似家族であると指していました。
確かにあなた方には血縁関係がない。ですがそうなると奇妙なんですよ。
何故ならあなたたちには一人だけ血の繋がりのある子供がいるじゃないですか。
そう、祥太くんですよ。」
右京がこの事件でひとつだけ気になるのはまさにその点だった。
柴田家が擬似家族であるなら問題は祥太の存在。
祥太には治と信代の間に生まれた子であるのなら間違いなく血の繋がりがある。
それなのにこの二人は祥太を置いて逃げようとした。その行動に右京はある意図を見出した。
「ですがあなた方が実の子である祥太くんを置いて逃げた。
そして誘拐したじゅりちゃんを連れて逃げようとした。考えてみればおかしいですよ。
何故家族の関係に拘っておきながら実の子を置いて逃げようとしたのか。」
「そこに理由があるとするのなら…」
「祥太くんもまたじゅりちゃんと同じく何処からか拐ってきたのではありませんか。」
それが右京の推理した結論だった。その推理を聞いた伊丹と芹沢は思わず嫌悪感を顕にしてしまった。
まさか実の子だと思われていた祥太ですら拐われていたとは…
すると右京の携帯にある連絡が入った。鑑識の益子からだ。
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