7:名無しNIPPER[saga]
2019/12/16(月) 01:42:43.08 ID:w7wIwWN50
「あ〜あ、怒らせちゃいましたね。俺たち客商売は向いてないんですかね?」
「僕は二人を怒らせるような真似はしていませんが…
それにしても捜査一課の伊丹さんたちがわざわざこんなスーパーを訪ねてくる理由。
どうやら彼らはあの事件の捜査を行っているようですね。」
「あの事件ってひょっとして北条じゅりちゃん失踪事件ですか。」
そう、伊丹たちも好んでこのスーパーを訪ねたわけではない。
実は伊丹たちはこの近辺で起きたある事件を担当していた。それは誘拐事件。
今朝、警察はTV報道である事件について大々的にある事実を告げた。
二日前、北条じゅりちゃん5歳が行方不明になった。
じゅりちゃんの両親は必死に周囲を探したがその痕跡ひとつ見つからず警察に捜索依頼したという。
「心配ですね。まだ5歳となると親御さんも気がかりでしょう。」
「けど何で伊丹さんたち捜査一課が駆り出されたんですかね?彼らは殺人専門でしょ。」
「それについてですがどうやらマスコミに十年前の事件について突っつかれたのが原因のようですね。」
右京が指す十年前の事件とは千葉県内で起きた誘拐事件のことだ。
十年前のこの時期に同様の事件が起きた。誘拐されたのは当時生後間もない男の子。
犯人からの連絡は一切なくその痕跡を辿ることすら適わなかった。
その子は今も発見されておらず行方不明のまま。
それで今回の事件においてマスコミは当時の事件と同様にまた迷宮入りになるのではないかと疑問視された。
そのため今回は初動捜査から本腰を入れようと警視庁捜査一課を動かしているという大人の事情が絡んでいた。
114Res/106.81 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20