39:名無しNIPPER[saga]
2019/12/25(水) 01:38:25.43 ID:4eonmOIU0
冠城は何か他に会話の糸口はないかと思い悩んでいると、ゆりの手元に注目した。
母親の手を掴んでいるゆりの腕には生々しい傷があった。
「その傷どうしたんだ?」
「これは…転んで怪我しちゃったんだ…」
戸惑うゆりに代わって祥太が答えたが…
それは明らかに転んで出来た怪我ではない。誰かに打たれて出来た傷だ。
「ひょっとして…大人にやられたんじゃないのか…?」
もしも子供たちが親から虐待を受けていればここで認めてくれたら児相に通報することができる。
それにこの子がじゅりであるなら今すぐにでも保護すべきだ。
柴田家がこの子に暴力を振るっているのなら悠長な捜査などやっている場合ではない。
すぐにでも捜査本部にこの件を報告して凶悪な誘拐犯として逮捕させる。
そうしなければならないと決め込んでいた。だが…
「ちがう!……ころんだのッ!」
ゆりは真っ向からそれを否定した。それも目の前にいる冠城に怒鳴りながらだ。
柴田家から虐待を受けているのならここで泣きつけば助けを求められるはずだ。
それなのに否定してみせた。冠城にはその意味がわからなかった。
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