38:名無しNIPPER[saga]
2019/12/25(水) 01:37:28.89 ID:4eonmOIU0
「祥太〜!アンタこんなところにいたのね!」
店を出ると祥太を呼ぶ声が聞こえてきた。
そこには中年の女性が小さな女の子を伴ってこちらへと歩み寄ってきた。
昨日の柴田家で見かけたゆりの髪を切った女性。察するに祥太の母親のようだ。
「失礼ですが祥太の母親ですか?」
「ええ、うちの子がお世話になったそうでありがとうございます。」
母親は笑顔でそう答えるが正直なところ冠城はこの母親に対して不信感を抱いていた。
昨日…恐らくはそれ以前から…祥太はこの店で万引きを行った。
それなのに母親はそんな祥太に反省も促さずにいる。
普通の親なら息子が過ちを仕出かせばまずは謝罪からすべきだろう。
それなのにこうして悪びれる様子も見せずにいるとは…
まさか息子がこの店で万引きを行っていることなど知らないとでも…?
「ところでそっちは何してたの?」
「うん、明後日海に行くでしょ。だからこの子の水着を買いに行ってたの。」
母親は祥太に対して自慢そうに買い物袋を見せつけた。
そんな母親の傍らに付き添っている少女。昨日柴田なる家で目撃したはずのゆりだ。
見たところ、監禁されてもなくこうして外に連れ出している様子。
世間で言われているようにこの子がじゅりであり誘拐されたのであれば家の中に監禁しているはずだ。
それがこうも自由に外出しているということはこの子はじゅりではないのか?
そのことを問い質したいところだが今は無理だ。
下手に相手を刺激すれば何が起こるのかわからない。残念だがまだ十分な証拠が揃わない。
114Res/106.81 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20