37:名無しNIPPER[saga]
2019/12/25(水) 01:36:10.50 ID:4eonmOIU0
「そういえば自己紹介がまだだったな。俺は冠城亘だ。」
「俺は祥太。柴田祥太だよ。」
「祥太か、こちらこそよろしく。
ところで今日はお父さんと一緒じゃないんだな。そういえばお父さんって普段仕事は何しているんだ?」
「……工事現場で働いてる。」
「工事現場で?けど昨日見た時は足を怪我してたじゃないか。」
「うん…この前…怪我して…」
工事現場で作業員が怪我を負った。まあこれだけならよくあることだ。
だがあの足の骨折だが見た感じだと全治一ヶ月くらいの怪我だ。
そうなると当分現場では使い物にならないのではないか。
だから生活費を賄うためにこの店で万引き行為に及んだのではないか。
「それは大変だったな。お母さんはどうしてるんだ?」
「パートの仕事してる。クリーニングの工場で働いてるって。」
「なるほど、それじゃあ今はお母さんが一家の生活を支えてるわけか。他に家族は?」
「婆ちゃんと姉ちゃんがいるけど…」
簡単な説明だったがここまでの話で一応柴田なる家の状況は把握できた。
現在柴田家では大黒柱の父親が怪我を負って働くことが出来ない。
他にも働き手がいるのだろうが女性陣にそれほどの稼ぎはない。
パート勤めの母親に年金暮らしの祖母。
子供に万引きをやらせるくらいなのだから生活は相当行き詰まっているのだろう。
これで一応家族構成は把握したがまだ聞きたいことは山ほどある。
だがここで下手に焦れば警戒心を持たれる恐れもある。とりあえずはこの辺にしておこうと時間だと言って祥太を帰らせようとした。
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