【たぬき】小日向美穂「令和狸合戦ぽんぽこひなた 〜さらわれたPさんを追え〜」
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105: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:21:45.83 ID:SQAfR/tb0

  ◆◆◆◆

  ―― 久万山 四国たぬきの村

以下略 AAS



106: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:23:25.84 ID:SQAfR/tb0

「――よくぞおいて下さった、婿殿。儂は本村のたぬきを率いる、龍崎玄葉と申します」
「はあ、ご丁寧にどうも……」

 通されたのは、村役場近くの講堂。いわゆる体育館的な空間で、正面にはささやかな舞台がある。
以下略 AAS



107: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:24:32.19 ID:SQAfR/tb0

 あの子は、前夜に露天風呂を共にした仔だぬきだ。間違いない。
 そういえばあの子の尻尾を掴んでから天地がひっくり返って、わけもわからず意識を失っていたわけだが……。

「ぽこ……」
以下略 AAS



108: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:25:24.37 ID:SQAfR/tb0


「一人娘の龍崎薫です。親の欲目を差し引いても、見事なものでございましょう」


以下略 AAS



109: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:26:15.11 ID:SQAfR/tb0

「う……ぁの……」

 娘さん――薫ちゃんは、りんごみたいに赤い頬をぺたぺた撫でながら、伏し目がちに俺を見上げる。
 はっきりとした太めの眉は、今は困ったようなハの字に下がり、どうしていいかわからないといった風だ。
以下略 AAS



110: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:27:00.08 ID:SQAfR/tb0

 厳かに腕を組み、龍崎氏は断言する。


「たぬき界にて雄が雌の尻尾を強く掴むことは、『お前を嫁に貰う』という意味を持つのです」
以下略 AAS



111: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:28:08.85 ID:SQAfR/tb0

 あれこれ言い合う俺と龍崎氏を、娘の薫ちゃんは交互に見比べていた。
 やがて、ぽっ、ぽぽぽっ、とその頬が赤みを増し、

「だ、だめ〜〜〜〜〜〜っ!! やっぱり恥ずかしいよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!!」
以下略 AAS



112: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:28:53.59 ID:SQAfR/tb0


「改めまして――龍崎家ならびに本村のたぬき一同、貴殿を薫の婿殿として迎え入れようと」

「お断りします」
以下略 AAS



113: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:30:07.47 ID:SQAfR/tb0

「――それに当方とて、なにも考え無しの決定ではございません。
 いかに掟といえど、どこの馬の骨とも知れぬ凡夫に娘をやる決定など致しませんとも。
 まして伊予は久万山、いや四国、いや日ノ本に不世出の天稟を持つ、薫ほどのたぬきを」

以下略 AAS



114: ◆DAC.3Z2hLk[sage saga]
2020/02/27(木) 01:32:23.19 ID:SQAfR/tb0

「やはり。婿殿、貴殿はなにやら奇天烈な匂いを漂わせていなさる」
「えっ臭いっすか。昨日ちゃんと洗ったんですが……」
「温泉の芳香でも打ち消せぬ、体中に染み入った類まれなるものどもの香りが……」

以下略 AAS



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