42: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 01:04:03.06 ID:nY0iWbpOO
「やっぱ美嘉も莉嘉もいないか」
城ヶ崎家も探索してみたけど真新しいものはない。姉妹の石像は当然ないし、強いて気づいたことと言えば美嘉の部屋にミニうえきちゃんが飾ってあったことくらいだ。
「お前は何か知らないのか?」
「シラナイ」
「そうか」
ウヨウヨと揺れるミニうえきちゃんに語りかけてみるけどやはりなにも分からなさそうだ。
「美穂、それは……」
「前に行った美郷小学校のみんながライブを見に来てくれたときの写真です。みんなでツインテールになって……楽しかったなあ」
子供たちに囲まれツインテールの3人は優しい笑顔を浮かべている。子供たちにとって彼女たちと過ごした時間は何よりの宝物だったはずだ。美穂も一緒になって埋めたタイムカプセルを開ける未来が来ることをきっと楽しみにしていたはずなのに。
「のぶくんもミッちゃんももっともっと、遊びたかったよね……」
家族、友人、出会った人たち。みんなもどこかにいると信じたい。だけど俺たち以外の人がどこにもいない世界は残酷なまでにその可能性を奪っていく。諦めて受け入れろ、そうすれば楽になる。そう言っているみたいだ。
「プロデューサーさん。私車に戻ってるから……美穂のこと、お願いね」
「分かったよ」
加蓮はこちらに目配せをして先に部屋を出る。美嘉の部屋で美穂と2人という奇妙なシチュエーションをうえきちゃんだけがニヤニヤと見ていた。
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