139: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 23:22:29.93 ID:nY0iWbpOO
「プロデューサーさん、アメリカ行っちゃうんですね」
「1年だけの予定だけどね。でも、向こうでの活動が認められたら……もっと長くなるかもしれない」
お昼ご飯を食べようとするとちょうど食堂に向かうピンクチェックスクールの3人と鉢合わせる。昨日の今日ってこととあって、美穂はやや俺の顔を見るのが恥ずかしそうだ。
「それじゃあ寂しくなりますね。プロデューサーさん、頑張り屋さんですから」
「ははは。そうだなぁ……でも、海を跨いでもみんなと作って来た思い出は消えないと思ってる。みんなが日本で頑張ってるから、俺も向こうで頑張れる気がするんだ」
夢を叶えるには大切なものをなくさなければいけない時もある。それを恐れては前に進めないのも事実だろう。だけど俺はわがままな人間だ。
「あの! 私、英語も演技も歌もいっぱいいっぱい勉強しますから……! その時はまた、私をプロデュースしてください!」
そしてその性格は、俺の自慢の担当アイドルにも伝染してしまったらしい。
「じゃあ美穂ちゃん、家事も勉強しなきゃですね! 良いお嫁さんになるにはまず家事からです!」
「ええ!? 響子ちゃーん! そこまではまだダメ、じゃなくて言ってないよー!」
「ふふっ。プロデューサーさんがアメリカに行って寂しくなりますけど、私たちは大丈夫ですっ!」
「そうだな……」
いつの日は美穂の夢と俺の夢が交わる時が来るのだろうか。その時は……2人で未来を作っていかなくちゃ、だな。
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