小日向美穂「グッバイ、ネヴァーランド」
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119: ◆d26MZoI9xM
2019/12/16(月) 20:27:01.23 ID:nY0iWbpOO
「きゃああ!」

「! 卯月!」

「わわっ! こないでくださーい!」

 ふと振り返ると卯月のもとに何十匹のぴにゃこら太が迫りかかろうとしていた。一体一体撃ち倒すものの多勢に無勢、4トンハンマーやら丸太やらを装備したぴにゃこら太に襲われ……!

「ぴ、ぴにゃああああああ!!」

 窮鼠猫を噛むとはいうけども、窮地に陥った卯月が選んだのはぴにゃこら太の泣き声を全力で真似をするという明後日の方向に振り切ったものだった。だけど、奇跡は起きるものだ。

「ぴ、ぴにゃあ?」

「ぴーにゃー」

「ぴにゃ! ぴにゃあ!」

「……藍子、あれなんて言ってるかわかる?」

「……さぁ?」

 やぶれかぶれで真似をしたはずだったが、奇妙なことに効果はあったらしくあれだけ殺気立っていたぴにゃこら太たちが手を取り合い踊り出す。中心にポツンと座り込んでいる卯月も信じられないって顔をしている。

「芸は身を助けるってやつ、か?」

 例えば大泥棒の孫なんかは元の役者さんが亡くなった際、後任に物真似芸人が選ばれたなんてエピソードもある。卯月のやけに上手なぴにゃこら太の物真似が奇跡を、いや必然の結果を呼び寄せたのだ。



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