女「私、あなたのことが好きになってしまいました」
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7: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:00:11.56 ID:IEuf6uP80
クラスメイトが少しずつ集まってくる時刻になって、僕はストーブから離れた。
彼女も、僕に続いてストーブを離れ、そのまま自分の席に戻った。
行動も、特にいつもと変わらない様子だ。
8: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:01:33.09 ID:IEuf6uP80
いつも通り、学校が始まった。
12月。もうすぐ冬休み、という時期に入る。
僕は高校二年生の、普通の男子学生だ。
9: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:04:32.88 ID:IEuf6uP80
彼女は真面目で勤勉、そのため成績も優秀、運動もとびきりできるわけではないけれど、平均よりも上。
背中まで伸びる漆のような黒髪は、彼女の性格を表すようにクセなく真っ直ぐだ。
容姿も実に優れていて、男女ともに人気がある。
10: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:05:22.36 ID:IEuf6uP80
おまけに終業後は真っ直ぐ帰宅してしまうようで、どのような人なのかはほとんど謎である。
クラスメイトは彼女と仲良くしたくても、雰囲気に呑まれて声をかけられない、というシーンをよく目の当たりにする。
女「……」
11: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:08:10.46 ID:IEuf6uP80
午前の授業をこなして、もうすぐ昼の時間になろうとしていた。
チャイムが鳴ると同時に弁当を取り出す男子を尻目に、僕は売店に出向こうと席を立とうとしていた。
女「男さん」
12: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:11:48.44 ID:IEuf6uP80
男「今から売店でパンでも買おうと思ってたんだけど、女さんはお弁当だよね?」
女「はい。一緒に行ってもいいですか」
男「大丈夫だよ。でも結構混むから大変かも?」
13: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:16:34.91 ID:IEuf6uP80
売店に近づくにつれて、喧騒は更に大きくなる。
男「今日も激混みだなぁ」
女「……」
14: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:28:21.35 ID:IEuf6uP80
男「はー、なんとか買えた……」
ボリューム満点のタマゴサンドを死守して、彼女の待つ場所に戻ってきた。
女「どこで食べますか」
15: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:29:11.84 ID:IEuf6uP80
男「急に誘われてビックリしたよ」
女「そうですか」
男「うん」
16: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:30:23.39 ID:IEuf6uP80
女「男さんと、今日はご飯を食べようと思っていましたから」
男「どうして?」
女「一緒に食べたいから、では理由にならないでしょうか」
17: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2019/12/11(水) 21:32:58.57 ID:IEuf6uP80
女「すごいです」
彼女は珍しく、手をパチパチと叩いてみせた。
女「いつも、あの状況で買っているんですね」
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