女「私、あなたのことが好きになってしまいました」
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128: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 21:18:37.38 ID:xdKyTgMJ0
その後も多種多様な宣言は続き、この学校の多彩さを物語っていた。
男「みんな個性豊かで凄いなぁ。ね、女さ……あれ?」
隣にいたはずの彼女が、忽然と姿を消していた。
129: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 21:21:16.23 ID:xdKyTgMJ0
「それでは、今年最後の宣言者です! どうぞー!」
男「……えっ」
ステージに上がったのは、とても見慣れた女性だった。
130: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 21:24:17.36 ID:xdKyTgMJ0
ザワザワと、周りが声をあげ始める。
周りの生徒達は彼女の顔を知っているようだった。
ただ一番ざわついた理由は彼女らしくないという点だった。
131: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 21:26:57.90 ID:xdKyTgMJ0
女「このクリスマスパーティーを迎えるために様々な方の尽力があったとお見受けしております。重ねて御礼申し上げます。」
彼女は固い口調で淡々と話すし、深々とお辞儀をする。
女「それでは、来年の抱負を宣言いたします」
132: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 21:32:24.08 ID:xdKyTgMJ0
「オオオー!!!」
校内は異常な熱気に包まれていた。
寒空の下。
133: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 21:38:22.32 ID:xdKyTgMJ0
女「やり残したことはとても簡単なことです。
これをしなければ、私は新年を迎えられそうにありません。
簡単なことでありつつ、凄く勇気が必要なことです。
134: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 21:44:24.63 ID:xdKyTgMJ0
視線は真っ直ぐ僕に向けられていた。
女「どうして好きになってしまったのか。
正直、まだわかりません。
135: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 21:44:51.78 ID:xdKyTgMJ0
彼女は更に続ける。
女「恋愛を一切知らない私に対して、真摯に向き合ってくれました。
あなたのことを考えると、胸の高鳴りが止みません。
136: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 21:47:15.94 ID:xdKyTgMJ0
女「わがままで、ごめんなさい。
あなたと、一緒にいたいです。
お返事、待ってます。
137: ◆qhZgDsXIyvBi[saga]
2020/01/23(木) 21:53:45.28 ID:xdKyTgMJ0
ほとんどの生徒が僕をジッと見つめては、「誰?」という顔をする。
それは当然の反応だから、さして気にしないけれど。
それ以上に、こんなに大勢の人から視線を浴びられる経験がない僕は、萎縮することしかできなかった。
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