武内P「私をドキドキさせたい?」小梅「……うん」
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5: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2019/12/08(日) 17:45:26.85 ID:obxw+A5Q0
予想外の話にビックリする。
芸能界に入ったばかりの私だけど、この前の宣材の撮影はすごく上手くいったことはわかっている。
撮影一番手の幸子ちゃんは、初めてのスタジオだっていうのに自信満々で自分から勝手に色んなポーズをしたりして、最初は困っていたカメラマンさんも次第に「いいよー、その調子その調子。すんごいカワイイよー」と幸子ちゃんに好きなようにやらせて、それがうまくはまった。
続く茜さんは幸子ちゃんの撮影を見たせいで、撮影というものを勘違いしちゃった。その結果、躍動感あふれる実に茜さんらしい写真になったけど――
「これ汗……だよな。霧吹きとか使ったわけじゃない自然の汗……宣材の写真でこれって大丈夫ですかねプロデューサーさん?」
「……良い、笑顔ですので」
……うん。結果オーライ。
最初の二人が自由にしてくれたおかげで、私もリラックスして自然な撮影ができたし。
「ん〜、いいよ小梅ちゃん。今みたいに静かに笑って……ン? 何か変な音が――あ、ゴメンゴメン気にしないで。続けよっか」
ラップ音が出てしまったのは、ご愛敬ということで。
私たち三人が撮り終わったら、元モデルの楓さんと美嘉さんの番。
最初はお手本になる二人をどうして最後にするんだろうと不思議に思ったけど、その答えは説明されなくても二人の撮影を見たらわかった。
「オ……オオゥ!」
「ふ、二人ともキレイですね。カワイさではボクの方が上ですけど!」
「…………カッコイイ」
場の空気を支配する力。
よそ見など許さない緊張感をスタジオに駆け巡らせたかと思った次の瞬間には、柔らかな笑顔で自分たちで創った冷たい空気をあっさりと氷解してみせる。
この場の支配者、創造主のような振る舞い。
残酷な正義、暖かな邪悪、純粋なる無知――見ていてどうしてかそんな言葉の羅列が私の脳をノックしていく。
これは、お手本になんかならない。
レベルが違い過ぎて真似しようという気はサラサラ起きないし、萎縮しちゃってカッチカチの撮影になるだけだ。
撮影の順番に気を遣ってくれたプロデューサーさんのおかげで上手くいったけど……まさかそれが雑誌に載るだなんて。
「雑誌で急に埋めないといけない枠ができてしまったそうで、そこで注目の新人アイドルユニットとして扱ってくれるそうです。これは高垣さんと城ヶ崎さんの知名度によるものが大きいですが、白坂さんたちが上手に撮れた結果でもあります」
「……うん。嬉しい」
アイドルとして活動を始めてまだ短いけど、こんなに早くわかりやすい成果が出てくるなんて……嬉しくって、力がこもっちゃう。
「あの……ところで白坂さん」
「ん……なぁに?」
頬をプロデューサーさんの腕にこすりつけながら見上げると、何だか困った顔をしている。
どうしたんだろう?
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