ハリー・ポッター「僕の言うことを聞け」ドラ子・マルフォイ「……はい」
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30:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/07(土) 22:14:51.33 ID:kNKMPaOnO
その日から、ハリーとドラ子は魔法薬学の授業が終わると教室に居残り教授の講義を受けた。

「よいか、魔法薬とは結果を生み出す魔法だ」
「先生、意味がわかりません」
「ポッター、お前ならばわかる筈だ」

スネイプ教授はハリーになるべく自分の頭で考えさせるように言葉を選んでいるようだった。
隣でやりとりを聞いているドラ子にはわかる。

「ポッター、魔法薬を作る際に必要な物は?」
「材料と、調合方法のレシピです」
「レシピは必要ない。必要な材料を選定して、自分の望み通りの魔法薬を生み出すのだ。ロナルド・ウィーズリーやハーマイオニー・グレンジャーなどはそれがまるでわかっておらん」

スネイプ教授はことあるごとにハリーの友人であるロンやハーマイオニーを引き合いに出して、思わずむっとしてしまうが、堪えた。

「しかし先生、レシピがなければ困ります」
「ドラ子、お前はどう捉える?」

話を振られたドラ子は教授が言わんとしていることを、なるべく噛み砕いて言葉にした。

「私は魔法薬は料理に似ていると思います」
「ほう、料理とな? 続けたまえ」
「甘くしたければ砂糖を。味が薄ければ塩を。自分の望み通りの結果を生み出す魔法とは、そのような意味であると私は考えます」

ハリーは目から鱗が落ちた。思わず喝采する。

「すごいよ、ドラ子! 君は天才だ!」
「……あ、ありがとう」

本当はお役に立てて光栄ですと言いたかった。
けれど彼は、あくまで友人関係を望んでいる。
なので照れつつも褒め言葉甘んじて受けると。

「今度是非、君の手料理を食べさせてくれ!」
「こ、今度ね……」
「調子に乗るな、ポッター」

手料理などしたことがない貴族の箱入り娘のドラ子はその日以来、いつかハリーの胃袋を鷲掴む為に料理を勉強して何度も指先に切り傷を作る羽目となってしまったが、楽しみだった。


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