ハリー・ポッター「僕の言うことを聞け」ドラ子・マルフォイ「……はい」
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29:名無しNIPPER[sage saga]
2019/12/07(土) 22:13:01.60 ID:kNKMPaOnO
「ポッター、そうやってすぐに答えを求めるのがお前の愚かさだ。何度吾輩に同じことを言わせる。考えるのだ。時間をかけて自分の頭で」

時間をかけて、自分の頭で、考える。
スネイプ教授は事あるごとにそう口にする。
つまり生徒に考えさせるのが教育方針なのだ。
しばらく悩んでハリーはなんとなく理解した。

「……教科書は必ずしも正しい必要はない?」
「そんなものは教科書とは呼べん。馬鹿者め」
「うぐっ……」

自分なりの答えを即座に否定されたハリーは酷く落ち込み項垂れた。教授は機嫌良く続ける。

「教科書は足がかりだ。神秘に手を伸ばし、叡智を手にする為のきっかけに過ぎん。吾輩にはその匙加減がわからない故、教科書が書けん」
「なるほど。理解しました、スネイプ先生」

ハリーは目を丸くして、いたく感銘を受けた。
初めてまともに教授の講義を受けた気がする。
尊敬の眼差しを注ぐと、多くを語り過ぎたことに気づいた教授は咳払いをして、追い出した。

「理解したのならば、早く寮へ戻りたまえ」
「スネイプ先生、ありがとうございました」

ドラ子と揃って一礼して、教室を後にした。


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