【シャニマス】アルストロメリアと幸せな日常
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49: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2019/12/04(水) 18:43:28.07 ID:86FQdztyO


 何をしたところで、俺は、もう……


「…………助けてくれ、冬優子……」


 ……それでも俺は。

 やっぱり、戻りたい。
 283プロに戻りたい。
 帰りたい。
 あの幸せだった日々に、戻りたいんだよ……

『……言いたい事はそれで全部? 満足した?』

「…………ごめん、冬優子……お前にあたっても仕方ないのに……」

『……良いわよ別に。吐き出せる相手、ふゆ以外いなかったんでしょ?』

「……ごめん……本当に、悪かった……」

 何やってるんだ、俺は。
 助けを求めた相手に当たり散らして。

『……何があっても、ふゆはあんたの事を信じるわ。それと、何があってもあんたの味方だから』

「……ありがとう」

 また、涙が溢れた。
 この数年で、俺の心は随分弱くなっていた。

『……ねぇ、あんた。色々試したって言ってたけど、まだ試してない事あるわよね?』

「……無理だ」

『実際それで甘奈は協力してくれたんでしょ?』

「それは相手が甘奈だからだ」

 冬優子が言っている事は分かる。
 俺だって分かっていた。
 それでも、出来る筈がない。
 あの千雪が、俺の説得を受け入れてくれる筈が……

『試しても無いのに決めつけるんじゃないわよ」

「……聞いてくれる筈がない」

『やる前から諦めるなんて、今度こそ怒るわよ』

 それに、と。
 冬優子は続けた。

『あんたがアイドルを信じてあげなくてどうすんのよ……っ、もう一度同じ事言ったら引っ叩くから』

 ……それを、冬優子に言わせてしまった。
 かつての彼女を思い出して、また涙が溢れる。

「……悪かった。そう、だよな……」

 プロデューサーである俺がアイドルを信じなくてどうするんだ。
 どうやらこの期間で俺はそんな事も忘れていたらしい。

『思い出した?』

「……あぁ」

『あさひ戻って来たみたいだから切るわよ。それじゃ最後に、あんたがする事は?』

 かつて、甘奈に協力を仰いだ時の様に。
 俺の本心をぶつけて。
 きちんと、真正面からぶつかって。
 千雪を信じて……

「俺の幸せは……」




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