【シャニマス】アルストロメリアと幸せな日常
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39: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2019/12/04(水) 18:37:52.67 ID:86FQdztyO

「俺が………俺が、千雪を……」

「…………お兄、ちゃん…………?」

 視線を上げる。
 扉の外には、甘奈が立っていた。

「……あまな……甘奈……! 良かった……甘奈だ……!」

 生きてる……死んでいない!
 良かった……本当に良かった。
 止めどなく涙が溢れる。
 生きてるんだ……甘奈が、生きて……

「……何、してるの……千雪お姉ちゃんに……」

「…………え……」

「……千雪お姉ちゃんに! 何してるのって聞いてるの!!!!」

 ……どうしてだよ……
 甘奈、お前は千雪に殺されたんだぞ。
 そんな千雪が死んだんだ、どうしてそんな……
 哀しそうな、怒りに狂った様な顔をするんだよ……

「っ! 違う話だ甘奈っ!」

「来ないでよ人殺しっ!」

「待ってくれ! 頼む話をっ」

 手を伸ばす。
 一階には甜花が居る。
 今甘奈が冷静さを欠いたまま甜花と話せば、彼女も混乱してしまう。
 兎に角一度話をっ

「きゃっ……っ!」

「あっ……」

 甘奈は、止まってくれた。
 俺が伸ばした手のせいで階段を踏み外して、その一番下まで落ちたところで。
 何度も何度も鈍い音を響かせて、頭を打ち付けて。
 そうしてようやく、甘奈は止まった。

 足だけじゃない。
 それ以外の全ても、止まった。
 大きく開かれた瞳は、真っ直ぐに俺の方へと向けられていた。
 前回と同じ様に、一切光の無い瞳で。

 唖然として。
 ショックで。
 俺が直接殺してしまったというショックで。 
 もう完全に、俺は動けなくなっていて。

「おっきな音したけど……どうしたの、なーちゃん……」

 ガチャ

 リビングの扉が開いた音がした。
 それから、尻餅。
 次いで悲鳴が響く。
 泣き声が、続く。

 ……なんでこうなるんだよ。
 どうしてこうなるんだよ。
 そんなつもりは無かったのに。
 俺がこんな事を望む筈がないのに。




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