【シャニマス】アルストロメリアと幸せな日常
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37: ◆x8ozAX/AOWSO[saga]
2019/12/04(水) 18:36:44.80 ID:86FQdztyO


『……分かってくれましたか?』

 ……違う。
 彼女じゃない、今目の前にいる千雪じゃないのに。
 頭では理解していても、それでもあの時の悪魔の様な千雪の姿が重なって。
 ゆったりとした足取りで部屋に入ってくるそんな彼女を、俺は。


「うぉぉぉぉぉぉぉおっっっっ!!」


 全力で、ぶん殴った。

「っ! っはぁっ、っ……痛……っ!」

 壁に打ち付けられて悲鳴を上げる千雪を無視してドアを閉め、腕を引っ張り上げてベッドに押し倒す。
 そしてもう一度、全力で腕を振った。
 お洒落な服も綺麗な長い髪も一瞬にして乱れる。
 呼吸すらままならない千雪の服を、引き千切る様に毟り取った。

「ぁっ……はぁっ……兄、さ……やめて…………下さ……」

 脳が衝撃で揺すられたのだろう。
 焦点の怪しい瞳で、それでも俺の方を見る。
 今から自分がされる事を理解してしまったのだろう。
 ……だから、なんだ。

「やめ……て…………兄さ……っ」

『うふふ、やめませんっ』

 お前はもう喋るな。
 声を聞きたくも無い。
 俺がそう泣きながら懇願した時、お前はやめたか?
 包丁を振り下ろす腕を止めてくれたか?

「い……や…………」

 真っ白な肌は、ところどころ赤くなっている。
 知った事か、刺し傷が無いだけマシだと思え。
 綺麗で瑞々しかった唇の端からは血が垂れていた。
 だからどうした、その程度の出血で死ぬか。

「……ぁ…………兄、さ…………っ」

 涙をボロボロと流しながら、何とか意識を保とうとする。
 そんな力なく抵抗する千雪を抑え付け、無理やり唇を貪り。
 覆う物の無くなった生まれたままの姿の千雪に、俺が覆い被さった。
 彼女が口を開く度に、俺は腕を振る。

 なんの感慨も無い。
 なんの悦びも無い。
 ただ俺は、怒りと復讐だけで動き続けた。
 千雪は既に、ピクリとも動かなくなっていて。

 そして。

 俺は、大切な人の全てを奪った。






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