環いろは「桜子ちゃんが二人になっちゃった?!」
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44: ◆LXjZXGUZxjdx[sage saga]
2019/12/01(日) 19:02:55.44 ID:5yCClcPC0
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◇ 柊桜子 313歳
キュゥべえ「理論的にはタイムマシンは完成している。やろうと思えば天の川銀河が誕生したその瞬間にまで時間遡行が可能だ」
キュゥべえ「だが、何故かそれができない。過去に繋がるワームホールに何体もの個体を送り込んでみたけど、時間遡行に成功したという観測結果が得られない」
キュゥべえ「ワームホールは負の質量で安定化させているとはいえ、依然内部は物質を送るのには適さない程に重力が強いし、それに非常に強力な磁気と電磁波が縦横無尽に飛び交っている」
キュゥべえ「そういった過酷な環境にも十分に耐えられるはずの頑強な個体を送り込んでも、ワームホールの出口に辿り着かない」
キュゥべえ「原因は不明だ。想定を超えるほどにワームホール内の環境が過酷なのか、ボクたちでさえ知りえない別の理論が必要なのか・・・・」
キュゥべえ「あるいは・・・。時間と空間に囚われず、それでいて意思のある、まるで “神” のような存在が、意図的にボクたちの時間遡行を阻害している可能性だってある」
キュゥべえ「どれも仮説の域を出ないが、なんにしても、タイムマシンを実用化するにはもうしばらく研究を続ける必要がある」
キュゥべえ「・・・・・それでも君は、今すぐこのワームホールに入ると言うのかい?」
桜子「 |行く。この先からいろはの存在を強く感じる| 」
桜子「 |懐かしい、優しいいろはの気配。愛おしくて私が一番好きな人| 」
桜子「 |気が遠くなる程の長い時間、いろはのいない苦しみに耐えた。何度も死にそうになった。何度も諦めそうになった| 」
桜子「 |だけど今はこうしていろはを感じられている。本物のいろはがこの先にいる。それが分かっているのなら、手を伸ばさずにはいられない| 」
桜子「 |例えこの身がどうなろうと、消えてしまうと分かっていても、分解され尽くすまで、私はいろはへと歩みを進める| 」
キュゥべえ「そこまで言うのなら止めないけど・・・」
キュゥべえ「君をそうさせてしまうほどの感情と言うのは、つくづく理解できないね。理性的な行動を阻害ばかりしている」
キュゥべえ「ただ、その感情の執念が生み出した賜物が、このタイムマシンと言えるだろう。ボクたちだけでは決して生み出せなかったよ」
キュゥべえ「君は死ぬ。だけど君はこの上なくボクたちの発展と目標に貢献してくれた。感謝するよ。ボクたちは引き続きタイムマシンの研究を続けて実用化してみせるよ」
キュゥべえ「さようなら。柊桜子」
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