71:名無しNIPPER[saga]
2019/12/15(日) 19:31:17.38 ID:3Qvd3eSW0
その日の夜、少年はベッドで父親に言われたことを反芻していた。
コンコン
母「入るね」ガチャ
少年「どうしたの?」
母「これ見て、ジャジャーン!」
母親は後ろ手に持っていた手紙を取り出した。
少年「えっ?!でも、これ?!」
手紙をよく見るとテープで千切れたかけらを繋ぎ合わせていた。
母「結構大変だったけど、頑張ったの」
少年「ありがとう、ママ!」
少年は思わずベッドから飛び上がりそうになったが、母親に落ち着くよう制止された。
母「お父様は厳しいところがあるけど...でも、私だけは絶対にあなたの味方よ」
少年「ママ...」
母「さあ、もう夜も深いわ。寝なさい」
少年「うん!おやすみなさい」
だがその日を境に母は姿を消した。
1週間が過ぎた頃、少年は父に母の事を尋ねようとした。少年は薄々母がどうなっているか気づいていた。だが尋ねずにはいられなかった。
少年「その、パパ...ママは?」
父「...まあ早いに越した事は無いか。こい、こっちだ」
父親は少年を連れて地下室へと向かった。辺りには重い空気が漂っている。
地下室の扉を開くと小さい部屋の中央に椅子があり、そこに母親が縛られていた。
母「あなた...」
少年「ママ!?どうしてここに?!」
父「分からないか?その女はお前の優しさにつけ込んでお前を支配しようとしていたんだぞ」
少年「し、支配?何の話ですか!」
父「まあ、そこは重要じゃない。大事なのはそれをいかに克服するかだ。...この年齢では流石に厳しいか...だが...」
少年「パパ?」
父親は椅子の横に立ち、手招きをした。少年は誘われるがまま近づいた。
父「さあ、これを握れ」
父親は懐からナイフを取り出した。
少年「え...?」
父「さあ」ガシッ
父親は戸惑う少年の手を掴み、無理やりナイフを持たせた。そして刃先を母親の胸に当てた。
779Res/423.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20