72:名無しNIPPER[saga]
2019/12/15(日) 19:32:09.77 ID:3Qvd3eSW0
少年「な、何を...」
父「ゆっくりと押し込むんだ」
少年「い、嫌だ!」
父親は有無を言わさずナイフを押し込ませた。
母「うっ!ゲホッ!」
母親の胸から血が流れ出した。
少年「嘘だァァァァァ!!」
叫ぶ少年の耳元で父親が何か言っていたが今の少年には何も聞こえていなかった。
母「大丈夫よ...私の話を聞いて...」
だが母親の話は聞き逃さなかった。否、聞き逃せるはずがなかった。
母「落ち着いてよく聞いて...大丈夫、あなたはきっと世界の人々を...幸せにできる素晴らしい人物に...なるわ。だから泣かないで...愛しいイーゴリ...」
母は震える手で少年の頬に触れると、そのまま絶命した。
父「聞いたか?母の願いは、つまり、支配する側の人間でいろ、という事だ。分かったな?」
イーゴリ「はい...」
少年は虚な目で返事をした。父への怒りもあったがそれよりも恐怖が上回った。何よりとてつもない喪失感に襲われていた。
父「後々我が一族の所属している組織の話もしてやる。世界平和を唯一実現できる組織だ...行くぞ」
父親が去った後も少年は部屋に残り続けた。母の手を握り、泣きながら。
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