631:名無しNIPPER[saga]
2020/04/26(日) 23:13:51.76 ID:dXT6thxS0
数時間後
アリス「で、このドライブの中身は?」
飯田「それを今から確認する」
アリーラに渡されたフラッシュドライブをラップトップに差し込む。
シモーヌ「これ...」
飯田「間違いない...先駆者の情報だ」
アリス「これ、私達が相手にしてきた幹部の情報よ」
飯田「何故こんなものを彼女が...?」
シモーヌ「見て、これ!もしかして先駆者の司令部の位置情報じゃない?」
彼女に言われたファイルをクリックして開いてみると確かにその通りだった。場所はカエサリオン、欧州の軍事国家、その中枢だ。
飯田「ん?これは...」
数多くのファイルの中に1つ、気になるものがあった。そのタイトルは『私の愛した人へ』。
そのファイルは飯田の愛した人が残した文章だった。
飯田「...」
その内容はこういうものだ。彼女は幼い頃孤児院で過ごしていた。その中にはアリーラもいた。だがある日謎の武装集団に孤児院を襲撃された。
その武装集団こそ先駆者であり、彼女は復讐を誓ったこと。だがある日飯田に出会い、すべてを忘れようとしたこと。
そして──
『晃司...もしこれを読んでるのなら貴方は先駆者と戦っているのでしょうね。それが復讐なのか、正義なのか分からないけど。でも、私はきっと正義のためだって信じているよ』
飯田「っ...」
彼女との日々を思い出し目頭が熱くなる。
『他にも言いたい事は沢山あります。どれだけ貴方に救われたか、どれだけ愛しているか。けれど、1番分かって欲しいのはね?私の望みはただ貴方が健やかに日々を過ごす事です。ただそれだけなのです。言っても言い足りないけど...愛してます』
飯田「ぐっ...うっ...!」
涙が溢れ出す。
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