熊野「裏世界ハンティング」
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55: ◆L6OaR8HKlk[sage saga]
2019/11/25(月) 22:20:04.04 ID:NBL3UyTw0
( T)「……」


風上から、嫌な臭いが漂ってくる。身を伏せ、更に慎重に進む
『ぐちゃぐちゃ』といった咀嚼音。そして時折、鼻を鳴らす音が聞こえる


熊野「食事中……かしら」

( T)「らしいな……見えたぞ、止まれ」


声を潜め、その場で屈む。視線の先には二メートル級の『けむくじゃら』が何かを貪っている
見えるのは背中で、食っているものの正体は掴めない。彼方は食事に夢中で気づいていないようだ
しかし臭う。死体でも食ってんのだろうか……死体?


(;T)「あっ、うわぁ……」

秋月「司令?」

(;T)「あー……やべえな……そういうことか……」


死体であるならまだ良いだろう。俺はさっきこう言った。『ぬっぺふほふは死臭を放つかもしれない』と
そしてその肉は、食った物に力を与える。恐らく、妖怪だろうと例外無く


「ブッ、フゴッ……フーッ、フーッ!!」


野生の勘が研ぎ澄まされたのか。それとも、宿敵の臭いが届いたのか
凡そ動物の物とは思えない『肉の塊』から顔を上げた一本だたらは、拳代の大きな一つ目を此方へと向け、一つ足で立ち上がる
体長は四メートルほど、両手は蹄では無く鋭い鉤爪のついた五本指。太い牙には『食い跡』がぶら下がり、豚鼻からは鼻水と共に荒い息が噴出する


「フゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッ!!!!!!!」


秋月「ッ!?」

熊野「仕掛けますわ!!」


落ちた木葉が震えるほどの咆哮に、秋月は耳を塞ぐ。熊野は構えていた猟銃を放った


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