白雪千夜「足りすぎている」
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88:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 00:23:57.31 ID:1/ZkFkMM0
「はぁ……はぁ……!」

 あのまま倒れていたらと思うと、ゾッとする。
 皆とのステージを台無しにするところだった。


 ――皆との?

 お嬢様にお見せするステージが、ではなく?


 最初に脳裏をよぎった言葉の妥当性を自問する。
 私は、アイドルである以前に、黒埼家の従者であるはずだ。
 第一に考えるべきはお嬢様――。


「……え?」


 ともすれば地響きさえも起こしている観客席から、ふと毛色が異なる高音域の歓声が上がった。

 見上げると、ステージの上をキラキラと、白い何かが舞っている。



 これは――雪?



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