白雪千夜「足りすぎている」
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73:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 23:37:20.88 ID:QXbKSZYO0
「チヨ……!」

 随分と面倒なことになった。だが、四の五の言ってもいられない。
 幸いにして――と言うのが正しいかは分からないが――私はアーニャさんにせがまれ、『Memories』の振付を戯れで模倣したことはある。

 当初の開演時間まで、あと2時間弱――。

「伸ばせる時間は1時間と言いましたね。
 できれば、私達の出番は原案よりも後半に組んでください。
 少しでも長い練習時間を要求します」

 戯れ――そう。
 乗りかかった船の上で、黙って興じるだけのことだ。


 ありがとう、ありがとう――。
 ベッドの上から、美波さんの涙声が聞こえる。感謝されるいわれなど無い。



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