白雪千夜「足りすぎている」
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3:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 20:48:16.40 ID:QXbKSZYO0
「キッパリと断り、二度とこの屋敷に近づかないよう、私の方から強く念を押しておきます」

 主の世話は従者の務め、とはいえ――余計な面倒ごとを嬉々として拾ってくるのは慎んでいただきたい。
 まして、相手が男では何があるか知れない。御身は大事にしていただかなくては。

「それと、どんな男か、特徴を教えていただけると助かるのですが」
「あーっ! ちょっと千夜ちゃん!」

「自分のことは、自分が一番よく分かっています。お気遣いにはおよびません」

 気まぐれを起こしたお嬢様を説き伏せることは難しい。
 これ以上は不毛な議論になるため、私は階段を上がった。

「とにかく、すごく大きな人が来るから、ビックリして警察とか呼んじゃダメだよ。
 それじゃあ、私出かけてくるね」

 そうだった。
 今日は麓の町へ出向き、4月から始まる学校の編入手続きをしに行くのだった。
 本来であれば私と一緒に済ませるはずだったが、体調を崩されてしまい、お嬢様の分が先送りになってしまったのだ。

「行ってらっしゃいませ。どうかお気をつけて」

 慌てて階下へ降り、お見送りをする。
 おじさまの車に乗り込み、お嬢様が出て行かれると、途端に屋敷は静かになった。



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