白雪千夜「足りすぎている」
1- 20
2:名無しNIPPER[saga]
2019/11/22(金) 20:47:04.88 ID:QXbKSZYO0
 曰く、都心部へお出かけになられた際、芸能関係者を名乗る男から声をかけられたのだという。
 耳障りの良い口車に気を良くして、自らの素性だけでなく、私の事まで紹介してしまうなど――。

「そのような誘い文句は、男が女性をたぶらかすための常套句です。
 お嬢様の魅力は確たるものとしてございますが、故に安売りすべきものではありません」


「あ、じゃあ私の方も、言わせてもらうけどね」

 ぷくっと頬を少し膨らませて、お嬢様は私に顔を近づけてきた。

「千夜ちゃんはもっと自分を知るべきだよ」

「自分を、ですか」
「そう、千夜ちゃんは自分がいかに魅力的な人なのかを知らない。
 一度きりの短い人生、それはすごく悲しいことなんだよ?」

「お戯れを」
 首を振り、私は壁に掛かる時計を見上げた。

「その男は、何時にこちらに来るのですか?」
「そろそろ来るんじゃないかな。あっ、話聞いてくれる気になった?」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
301Res/285.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice