白雪千夜「足りすぎている」
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274:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 01:27:52.79 ID:Hn+oLRjQ0
  Dear boy いつかあなたが目指した世界は
  もう悲しみが消えた 未来でありますように
  祈りはわたしに 喜びをくれた
  まだ届かないけれど truth 信じてて


 二番のサビが終わる。
 ペンライトの光がさざ波のように揺れて、ウットリするほど綺麗だ。

 しっかりと見ていよう。
 私の人生にも、こんなに美しい時があったのだと。
 これからは、これを心の拠り所にして、私は黒埼家の従者に戻る。
 それは、何物からも目を背けていたあの頃とは違う、真に自分で選んだ私の幸せ――。

「……ぁ」



 背筋が凍った。

 足が、ほんの一瞬硬直し――。


 ボーカルに意識を集中させすぎたのか。

 二番のサビが終わった後の間奏。
 入った直後に訪れる、大振りのステップ・ターン。


 しまった。
 このままでは、もつれた足は虚無をさまよい、この曲最大の見せ場で、私は無様に転げ落ちる。



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