白雪千夜「足りすぎている」
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259:名無しNIPPER[saga]
2019/11/24(日) 00:22:23.97 ID:Hn+oLRjQ0
 美波さんがアーニャに寄り添い続けた人なら、LiPPSの人達もまた、クローネの仲間としてお嬢様に寄り添い続けた存在だ。
 このステージにかけるあの人の想いを、おそらく私よりも、誰よりも理解しているのだろう。

「白雪さん」

 不意に、私の肩にジャンパーが添えられた。
 振り返ると、アイツが頷いて廊下への出口を指す所だった。

「あちらの廊下から、客席への扉に向かうことができます。
 ステージ衣装のまま入ると目立ちますので、ジャンパーを」


「ありがとうございます」

 舞台袖の皆に頭を下げ、私は廊下を急ぎ足で歩き、観客席へと向かう。


 大きな会場だけあり、通用廊下は思っていたよりも長く続いていた。
 だが、じきに右手に現れた両開きの大きな扉を二つ続けて開くと、観客席の後ろ側に回ることができた。



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