白雪千夜「足りすぎている」
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253:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 23:51:51.28 ID:1/ZkFkMM0
「いえ」

 私が真っ直ぐに見つめると、その視線に気づいた彼女が私に向き直ってくれた。

「私の方こそ、この事務所で多くのことを学び、多くのものを得ることができました。
 アーニャをはじめ、大切な仲間も、たくさん……」

「アイドル、やって良かったね、私達」
「はい」

 視線を舞台に向ける。
 あんなに別世界だと思っていたものを、今か今かと待ち遠しく思う自分を見つける。

 誰に指摘されるまでもなく、変わったのかもな。
 戯れが、戯れでなくなる程度には。

 客観で捉えるだけの、結果でしかなかったはずの世界が、主観で掴み取る彩りを帯びていく。

 それを知ることができただけで、私には十分だ。



「まだ、誰にも言っていないのですが……このフェスが終わったら、辞めようと思います」



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