251:名無しNIPPER[saga]
2019/11/23(土) 23:44:15.05 ID:1/ZkFkMM0
結局、リハーサルは見なかった。
どんな様子だったのかを、他の皆から聞くこともしなかったし、皆も私に配慮をしてくれたのだろう。誰も話をしてこなかった。
「一つ、お聞きしてもよろしいでしょうか」
「なぁに、畏まっちゃって」
「私が知っているちとせさんは、気まぐれで我が儘でこそあれ、欲の無い方でもありました」
自分で勝ち取るよりも、他の誰かから得てきた。
しかし、彼女の無欲な姿勢は、そのような環境によるものではなく、彼女自身の死生観からくるものと言った方が正しい。
「私に私の生きる道を与えるため、あなたもご自身の道を志したと仰いましたが……
あなたが今日まで非常な努力を続けてこられたのは、あの人の期待に応えたいという思いもあったのでしょうか?」
「ふふ……それは嫉妬?」
「単純な興味です」
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